集落の子供らが
・1月14日:夕方4時より賽の神
・1月15日:13時よりどんど焼き(松飾り焼き)
・1月16日:早朝4時より鳥追い
を行い今年の豊作を祈願しました。
この一連の行事は代々受け継がれており、昔は大人は参加せずに小学生と中学生で役割を分担していたとの事です。子供らは行事を通して集落のルールを学び、大人への仲間入りを果たします。
【1月14日:賽の神】
16時より集落の子供らが、家々を回りながら以下の文句を唱え施しを受けます。この賽の神に参加した子供らだけが翌15日のどんど焼き(松飾り焼)、16日早朝4時からの鳥追いに参加します。昔は家々を回りながら棒で壁や戸を叩いて厄払いとしましたが、住宅事情の推移により空き缶を叩くスタイルに変更されました。
「賽の神かんじん とうどや さんぎりちょう 大もうけ 小もうけ あっちの家は繁昌し こっちの家は上作し 銭も金もわくわく 賽の子は十三人 銭も金もわくわく」
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【1月15日:どんど焼き(松飾り焼き)】
集落の目の前にある岩首港の海岸に、午前中から家々の正月飾りや習字等を積み上げて13時より焚き上げます。昔は子供らだけで実施していましたが、現在は防災の関係上、大人も参加しています。一説では、焚き上げた煙で害虫を追い払う意味もあるとの事です。
子供らは前日の賽の神で唱えた文句を口ずさみながら積み上げた櫓の周りを周り、着火します。燃え上がった炎でイカを炙り、青竹の筒に酒を入れて熱燗にしてと大人は酒宴の様相の一方、子供らはマシュマロを炙って食べていたのが今風です。
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【1月16日:鳥追い】
14日の賽の神、15日のどんど焼きに参加した子供らが、早朝4時から以下の鳥追い歌を歌いながら集落を練り歩いて三周し最後にお宮に参拝します。一連の行事で厄と害虫、鳥を追い払う事で、今年の五穀豊穣祈願となります。
○ 京の鳥と 田舎の鳥と 渡らぬ先に七草あてて トホンボ―
○ 四郎左エ門の田の畦に 白い黒い寒鴉 追うて頼む 田の神さん トホンボ―
○ 十六日は 月の出 粉餅のか欠片は 今朝ばかり トホンボ―
※明治末期頃までは「唐土の鳥が 日本の國え 渡らぬ先に 七草八草」と唱えたとのことです。